ハワイのお花の首飾り「レイ」に込められた思いや歴史、習慣を紹介
皆さんは、ハワイのカルチャーに深く根付いているお花の首飾り「レイ」をご存知ですか?
ハワイを訪れたことのある方なら、空港やホテルに到着した時に歓迎の印として首にかけてもらった経験があるかもしれません。濃いピンク色のプルメリで作られたレイを思い出した方もいるのではないでしょうか?
ハワイにおいてレイは、人々を「歓迎」する際、誕生日や結婚式などの催事に「祝福」する際、お別れの「感謝」をする際などに贈る首飾りです。
さまざまなシーンで見られるレイですが、贈る相手への想いがたっぷり詰まった非常に愛情深いものなんですよ。ハワイならではのカルチャーでとっても素敵ですよね。
そこで今回は、そんなレイに込められた思い、起源や歴史、レイの種類などについてご紹介していきます。
ハワイが好きでハワイの歴史や文化に興味がある方、大切な人にレイを贈ろうと考えている方はぜひチェックしてみてください!
レイの意味・込められた思い
最初にレイの意味や込められた思いについて紹介します。
「レイ」という言葉はハワイ語で「花輪」という意味がありますが、それだけでなく「愛しい人(子供、妻、夫、恋人)」や「絆」といった意味も含まれます。
レイは愛や尊敬を表現するもので、愛する人や親しい人に祝福や感謝の意を込めて贈られます。さらに、古くから魔除けや供え物として、また社会的地位の象徴としても用いられてきました。
ハワイにおけるレイの歴史
ここからは、レイの起源・歴史についてみてみましょう。
火山の噴火によって島が形成され、もともとは無人島だったハワイ。西暦500〜600年頃、ハワイに渡ってきたポリネシア人によってレイの習慣がもたらされたと考えられています。
ハワイ諸島外から伝えられたレイの起源は、遠くさかのぼることなんと紀元前。
ポリネシア地域以外でも、紀元前に文明が発達していた地域ではレイの習慣があったようで、魔除けや祈願、 神々への信仰、権力の証明などとして人々が身につけていたと言われています。
歴史上の記録に残っているものとしては、紀元前750年のギリシャのレイ。オリーブなどの葉を使って作られた冠が見つかっています。
そんな古代の発達した文明で人々に身につけられていたレイ。はるばるハワイに渡り、今ではALOHAとともにハワイを象徴する習慣になったんですね。なんだか感慨深い。
ハワイでは太古から森羅万象に神が宿るとされ、レイはさまざまな植物や動物に宿る神々を崇めるためや、ハワイの伝統フラで祈りを捧げる際にも用いられました。
現在でも、伝統的な文化イベントや催事の際には必ず用いられ、ハワイの文化に欠かせない存在となっています。
そのほかにも誕生日をはじめ、ハワイを訪れた友人を出迎える際やハワイを旅立つ仲間に感謝を伝える際など、日常生活において相手に深い愛情を伝えたいときにレイが贈られるんですよ。花束を送る感覚に近いです。とっても素敵な習慣ですよね。
ハワイのレイデーセレブレーション
ハワイの文化に深く根付いたレイのカルチャー。ハワイには「レイデー」と呼ばれる祭典もあります。
世界的に5月1日はメーデー(労働祭)とされていますが、ハワイで5月1日といえば「レイデー(Lei Day)」。その名の通り、レイの文化をお祝いする日です。毎年この日はカピオラニ公園にて「レイデーセレブレーション」のイベントが開催されます。
セレブレーションでは、レイの仕上がりを競い合うコンテスが行われるほか、レイを作るワークショップや地元ミュージシャンによるライブ演奏なども加わり盛大にお祝いします。
ハワイならではの催事としてその人気は年々高まり、今では世界中からレイコンテストに数百ものエントリーがあるんだとか。
世界的にみてもユニークな「レイデー」。ハワイ独自の文化を後世に継承するためにも、このようなイベントは大切ですよね。
レイの種類
レイの種類は、伝統的な濃いピンク〜紫色の混じったプルメリアや白いジャスミンから、貝殻でできた「シェルレイ」までさまざま。
近年では、キャンディーやお酒のボトルなどを輪にした面白いレイも販売されています。お花を使わずとも、相手の好きなものをレイにして贈るというわけですね。とってもユニーク。
キャンディーやお酒ボトルのレイはABCストアやスーパーで購入することができますよ!もちろん、お花のレイも冷蔵庫に入っています。
それから、よくウェディングやウェディングフォトで花嫁が頭の上に載せているお花の王冠もありますが、見たことがありますか?あのようなレイは「ハクレイ」と呼ばれ、首にかけるレイよりも大きめのお花を使用しゴージャスな仕上がり。
レイに使う草花や贈る目的・意味
レイにはさまざまな草花が使われますよね。基本的にどの花を使わなければならないという決まりはなく、好きな草花を使ってOKです。
一方、ハワイの歴史を振り返ると、特定の草や花が特定の場面で使用されていることも。例えば、古代ハワイアン時代に首長などがよく身に付けたとされるマイレは、独特の良い香りがする特徴的な木の葉。
フラの女神「ラカ」に捧げられる神聖な植物とされ、祭壇に供えられたりフラで用いられたりします。結婚式や卒業式、授賞式などで贈られることも多いです。
また、ジャスミンの一種で爽やかな香りが特徴のピカケのつぼみは、結婚式で新婦が付けるレイとして人気。
このように、特定のシーンで特定の草花が使われることもありますが、最も大事なのは贈る相手を想って草花を選ぶこと。事前に贈る相手の好きな色や香りをチェックしておくと良いかもしれませんね。
ハワイのレイのマナー
相手への愛情を示すレイですが、覚えておきたいマナーモあるんです。
まず、もらった相手の前で外したり、誰か他の人にあげてしまうのはNGです。ハワイ現地の人々は、もらったレイを翌日にお墓参りをして供えたり、海に流したり、または記念に取っておくことも一般的。神聖なものとして敬われていることが伺えます。
旅行中にもらったレイは、思い出にドライフラワーにしてとっておくのがおすすめです。
また、妊婦さんにレイを贈る場合は注意が必要。クローズレイ(輪の状態のレイ)は胎児のへその緒が絡まってしまうという言い伝えがあります。妊婦さんに贈る場合は、輪が閉じていないオープンのものを贈ると良いでしょう。
レイを購入できるお店
ABCストアやウォールマートなどのスーパーやコンビニでは、簡単な作りのシンプルなレイ(一般的な濃いピンク色のレイ)を購入することができます。生花は冷蔵コーナーに置いてあります。
キャンディーやお酒ボトルが連なったユニークなレイも豊富です。それぞれ甘い物好き、お酒好きの方にはピッタリ。
結婚式や卒業式など、セレモニーで使用する場合は、レイの創作をお仕事にしているプロのフローリストさんに依頼するのが良いでしょう。筆者のおすすめは、ハンドメイドでセンスある素敵なレイを作ってくれる「Ho’onani」。
インスタグラムのDMから、依頼メッセージを送ることでオーダーができます。
ここまではハワイ現地で購入する場合でしたが、日本で購入したいのであれば、レイを作っている日本のお花屋さんで購入したり、オンラインでオーダーすることが可能です。ぜひ調べてみてくださいね!
生のお花でなければ、個人で創作している方がメルカリなどでも販売しているようです。気になる方はチェックしてみてください。
最後に
今回は、レイに込められた思い、起源や歴史、レイの種類、レイが購入できるお店まで一挙にご紹介してきましたが、いかがでしたか?
レイは、ハワイの人々が愛情を示す贈り物として深く根付いているとっても素敵な習慣です。
筆者もハワイに到着したとき、友人にレイをもらってとても嬉しかったことを覚えています。アロハスピリットを感じました。
また、仕事を退職する先輩には、感謝やグッドラックの想いを込めてレイをプレゼントしたことがあります。レイを首にかけるときは、想いが込み上げてきて涙。レイを首にかける習慣は暖かい気持ちになるハワイならではのもので、これからもずっと続いてほしいカルチャーだと感じます。
大切な人をお祝いしたり感謝の気持ちを伝えたいときは、ぜひレイを贈ってみてはいかがでしょう。