ハワイ入国がスムーズに!MPC(モバイルパスポートコントロール)アプリの使い方
ハワイ旅行でまず最初にネックになるのが、空港に到着してから待ち受ける入国審査の長蛇の列。繁忙期だと入国するのに1〜2時間かかることも珍しくありません。
そんな悩みを解消するのが、「MPC(モバイルパスポートコントロール)」というアプリ。
これを使えば、通常の入国審査の列に並ぶことなく、待ち時間が大幅に短縮されます。
今回は、ハワイ(アメリカ)入国をスムーズにするMPCの使い方やメリット、注意点を詳しく解説します。
ハワイ旅行される方は必見です!
MPCアプリとは
MPC(Mobile Passport Control・モバイルパスポートコントロール)は、米国国境警備局(CBP)が提供するサービスで、渡航者のアメリカへの入国プロセスを簡単にし、入国審査の待ち時間を短縮する目的があります。
事前にスマホにアプリをダウンロードし、必要な情報を登録するだけで、専用レーンを使ってスムーズに入国できます。現在、アプリは英語のみ対応。
MPCアプリを利用できる人や条件
MPCアプリを利用できるのは、次のいずれかに当てはまる方です。
- 米国市民
- 米国永住権保持者
- カナダ国籍の米国B1/B2 VISA保持者
- ESTA申請者でアメリカへの渡航が2回目以降の人
多くの日本人観光客は4番目に該当します。ESTA(電子渡航認証システム)は、ビザを取得せずにアメリカに入国するためのシステムで、初めて申請する場合はMPCアプリが利用できません。アメリカ渡航が2回目以降の人のみ、MPCアプリを利用することができます。
MPCアプリの使い方
ここからは、iPhoneを使ったMPCアプリの具体的な操作方法を紹介します。(iPhone以外でもおおよそ操作内容は同じです)
現在アプリは英語しか対応していないため、英語が苦手な方は操作方法に迷ってしまうかもしれません。どれを選択すれば良いかなど、ぜひ参考にしてみてください。
MPCアプリの操作は比較的シンプル。流れは次のようになります。
- アプリをダウンロード(渡航前)
- 渡航情報を登録(渡航前)
- 税関申告書の質問に回答(渡航前)
- 空港到着後にWi-Fiなどを使って顔写真撮影
- MPC専用レーンへ並ぶ
① MPCアプリのダウンロード
渡航前に、App StoreまたはGoogle PlayからMPCアプリをダウンロードします。ダウンロード後、アプリを開いて「Next」、説明が続くので「Skip」で進みます。
Ready?の画面で「Let’s Go」をタップし、次の画面で免責事項に目を通して「Agree」をタップします。
アプリの通知機能をオンにするかしないか選択します。通知が必要であれば「Enable Notifications」、不要であれば「Not Right Now」をタップ。
新しく入国予定を作成する場合は「New Submission」を選択。
アメリカへの入国方法を選びます。飛行機の場合は「Airplane」を選択。
次に入国する空港を選びます。「CBP Port」の部分をタップすると空港が表示されるので、入国する空港を選択します。空港はアルファベット順で表示されていますが、虫眼鏡の検索ボックスにアルファベットを入れることで検索もできます。
ハワイ・ホノルルの「ダニエル・K・イノウエ国際空港」に入国する場合は、「Honolulu」もしくは「HNL」で検索しましょう。
選択できたら「Proceed」をタップして次に進みます。
②渡航情報を登録
渡航前に、旅行者の情報を入力します。同行者の情報も一緒にまとめて入力可能ですが、まず最初に代表者または自分の情報を入力します。「Select people」をタップ。
次の画面に出てくる「+(プラスマーク)」をタップすると、「Scan a document(書類をスキャンする)」と「Start from scratch(最初から始める)」の2つのオプションが表示されます。
「Scan a document」を選択すると、パスポートの顔写真ページをスマホでスキャンするだけで自動的に搭乗者情報が読み込まれます。「Open Scanner」をタップするとカメラが起動。パスポートの顔写真ページをスキャンすれば、一瞬で情報を登録することができます。
※「Start from scratch」は、手入力で登録するという意味。こちらを選択するメリットは特にないので、簡単に登録できる「Scan a document」を選びましょう。
パスポート情報の読み取りが完了し、このように「Travel Documents(渡航書類)」の「Passport」欄に星マークが表示されていれば、入力が完了したことになります。
「Set your PIN(暗証番号の設定)」が出てきたら、数字4桁の暗証番号を設定します。その後、アプリへのログイン方法の設定画面が表示されます。機種によっては顔認証や指紋認証でアプリにログインできるように設定できますが、とくに必要なければ「Skip」をタップ。これらの設定は初回のみとなります。
また、同行する家族がいる場合は「Select People」から追加できます。
全員分の入力が終わったら名前の左側にチェックマークが入っているのを確認して、右上の「Done」をタップ。(同行者は最大12人まで登録可能)
セキュリティについて免責事項などの確認事項が表示されます。(登録した情報は米国国境警備局(CBP)に送られることなどの文面が書かれています)
下までスクロールして目を通したら「Agree」をタップ。
これで渡航者情報の登録は完了です。
③税関申告書の質問に回答
次に税関の質問に進みます。6つの質問に「Yes」または「No」で答えます。
商業目的の商品を所持していないか、1万ドル以上の現金やそれに相当する外国通貨を持っていないかなどの質問が含まれますが、通常は全て「No」に該当します。一般的な旅行目的で渡航される方は、全て「No」を選びましょう。
次に旅行の目的について回答します。選択部分をタップすると「Business」と「Pleasure」の2つが表示されるので観光の場合は2つめの「Pleasure(観光)」を選択して「Proceed」をタップ。ちなみに「Business」はビジネスで渡米する場合のみ選択します。
ここまで入力が完了すると、作成した申請内容が表示されます。内容に間違いがなければ、チェックマークを入れて「Save CBP Form」をタップ。これで渡航前の申請準備は完了です。残りの手続きはアメリカの空港到着後に行います。
④空港到着後にWi-Fiなどを使って顔写真撮影
アメリカの空港に到着すると、「Have you arrived at ◯◯ Airport?(◯◯空港に到着しましたか?)」と表示されます。スマホのデータ通信をオンにするか、Wi-Fiに接続してからアプリを開き、「Yes, Submit Now」を選択。
次に顔写真の撮影が求められます。撮影時の注意点として、マスク、サングラス、帽子を外し、明るくシンプルな背景の場所で行いましょう。準備ができたら「Open Camera」をタップし、カメラへのアクセスを許可。
画面に表示される四角内に顔を収めて撮影し、問題がなければ「Use Photo」を選択します。
同行者が複数いる場合は、画面に名前が表示された人から撮影を行ってください。
⑤MPC専用レーンへ並ぶ
撮影が完了すると、4時間有効な「MPC Receipt」が表示されます。このレシートを持って入国審査のMPC専用レーンに進み、パスポートと一緒にMPC Receiptの画面を提示して入国審査に進みましょう。
MPCアプリが利用できる空港
2024年時点で、MPCアプリはアメリカの33の国際空港、14の事前通関場所、4つの入国港で利用可能です。
日本人観光客が多いジョン・F・ケネディ国際空港やロサンゼルス国際空港、ハワイのダニエル・K・イノウエ国際空港など主要空港で使用できます。詳細はCBP公式サイトで確認してください。
アプリの最初の画面下にある「View Supported Location」を選択しても確認することができます。
MPCアプリのメリット
便利なMPCアプリのメリットを見てみましょう。
- 入国にかかる時間が大幅に短縮される
- 無料で利用でき、操作も簡単
- 乗り継ぎの際にも利用可能
- 家族や同行者全員の情報を一括登録できる
- 渡航者情報を保存できるため、次回以降も使用可能
入国手続きが迅速化される
MPCアプリの最大のメリットは、入国手続きの時間を大幅に短縮できる点です。
観光客が多い空港では、入国審査に1〜2時間かかることもありますが、MPCアプリを利用した方からは10分程度で入国できたという声が多いです。
入国手続きが早く完了すれば、旅のスタートが早くなり効率的に時間を使えます。
無料で簡単に利用できる
MPCアプリは無料でダウンロード&利用でき、操作も簡単。手順に従えば、わずか5分で入力が完了します。
乗り継ぎにも対応
ハワイ経由でニューヨークなど、アメリカ国内で乗り継ぎがある場合でも利用可能です。入国審査に時間がかかって乗り遅れる心配がありません。
家族や同行者の情報を一括登録
代表者が作成した申請書に、家族や同行者全員の情報をまとめて登録できます。登録に必要なのは名前だけで、旅券番号やパスポートの有効期限を、生年月日などを確認する手間が省け、簡単に登録できます。
渡航者情報を保存できる
一度登録した渡航者情報は保存されるため、次回のアメリカ旅行でも再度利用することができ非常に便利。よくアメリカに行く方には、役立つツールです。
MPCアプリの注意点
一方、注意点もいくつかあるので確認しておきましょう。
- ESTA初申請者は利用不可
- データ通信が可能な携帯端末が必要
- 英語のみ対応
- 着陸予定空港が変更された場合は利用不可
ESTAを初めて申請して入国する場合は利用不可
「MPCアプリを利用できる人」のセクションでも触れましたが、注意点として「初めてESTAを申請して米国に入国する人は利用できない」ことが挙げられます。つまり、初めてアメリカに渡航する人はこのアプリを使用することはできません。
データ通信が可能な端末が必要
MPCアプリを利用するには、データ通信が可能なスマートフォンなどの携帯端末が必要です。出国前に渡航者情報を登録するだけでなく、空港到着後に写真撮影などの手順も必要なため、現地でのインターネット環境やWi-Fi接続が必要になります。そのため、スマホ操作に不慣れな方にはやや不便に感じることがあるかもしれません。
対応言語は英語のみ
MPCアプリは英語のみ対応しているため、英語に不安がある方には抵抗を感じるかもしれません。ただ、選択肢や入力内容を理解できれば操作はシンプルでとても簡単。この記事を参考にしながら試してみてください。
着陸予定空港が変更された場合は利用不可
悪天候などの理由で着陸予定空港が変更になった場合、事前に登録した空港と異なるためアプリを利用することができません。この点にも注意が必要です。
最後に
今回は、ハワイ(アメリカ)入国をスムーズにするMPCの使い方やメリット、注意点を解説してきました。
MPCアプリを使うことで、入国がスムーズになり待ち時間を大幅に短縮できます。アプリは操作がシンプルで、情報の登録も簡単。ESTA利用でアメリカ入国が2回目以降の方はぜひ使ってみてください!