ハワイの自然とAlohaをアクセサリーに込めて|レイナイア(Leinai’a)Makiさんインタビュー
カイルアにお店を構えるアクセサリーブランド「レイナイア(Leinai’a)」は、ハワイの美しい自然や豊かな文化からインスパイアされたデザインで、多くの人々を魅了しています。
おしゃれでハワイのエッセンスがたっぷり詰まったハンドメイドのアクセサリーは、ローカルにも観光客にも大人気!
そんな素敵なブランドを手がけるのは、日本出身のアーティスト、Maki(真希)さん。
今回はMakiさんに、ブランド立ち上げのきっかけや創作の背景、そしてアクセサリーに込められた想いについてたっぷりとお話を伺いました。
レイナイア(Leinai’a)の誕生秘話
Erika:
Makiさんの自己紹介をお願いします。ハワイ在住歴や、レイナイアのブランドを立ち上げるきっかけなどを教えていただけますか?
Makiさん:
ハワイに住んで28年になります。もともと熊本出身で、大学でこちらに留学したことがきっかけで、ずっとハワイに住んでいます。2011年にレイナイアを立ち上げました。
「レイナイア(Leinai‘a)」という名前は、「お花の首飾り」の「レイ(lei)」と、ハワイ語で「イルカ」を意味する「ナイア(nai’a)」を掛け合わせた造語です。もともとイルカがすごく好きで、イルカと泳ぎたくてハワイに来たので、その思いを込めて「レイナイア」という名前にしました。レイにはお客様を歓迎する「ウェルカム」の意味もあるので、その想いも込めました。
Erika:
レイナイアのブランド名には、そんな素敵な由来があったんですね。本当にイルカがお好きなんですね!
Makiさん:
はい、野生のイルカと泳ぐこともあります。最近は規制が厳しくなり、イルカと泳ぐのが禁止される法律ができましたが、たまにツアーをしている知り合いのボートに乗せてもらって、沖で泳いだりしています。
Erika:
大学留学でハワイに来たとのことですが、それからハンドメイドジュエリーのブランドを立ち上げるきっかけは何だったのでしょうか?
Makiさん:
もともと物を作ったり絵を描いたりするのが好きで、子どものころから自分でいろいろ作っていました。あるとき、ビーズ屋さんで材料を見つけ、遊び感覚で作り始めたのですが、すごく楽しくてハマってしまったんです。作ったアクセサリーを友人にプレゼントすると、その友人が着けているのを見た人たちから「どこで買ったの?」と聞かれることが増え、オーダーを受けるようになりました。
Erika:
最初は友人からMakiさんのアクセサリーの人気が広まっていったんですね。
Makiさん:
その後、自分で作ったものを着けてウィンドウショッピングをしていると、お店の方から「ジュエリーを卸してくれませんか?」という話が増え、それで卸しを始めました。
Erika:
卸しから始めて、どのように店舗を持つことになったのでしょうか?
Makiさん:
卸しをしながらアルバイトも続けていましたが、だんだん卸しの方が忙しくなっていったんです。お店を持ちたいという夢が昔からあったのですが、いきなり店舗を持つのはリスクが高いと思い、昔から憧れていたフードトラックによくあるワーゲンバスで始めることにしました。ジュエリーのトラックがハワイにはなかったので、自分がやろうと思いました!
それでたまたま見つけたトラックが、私の生まれ年と同じで、色もブランドの色と同じピンクだったんですよ。運命的な出会いだと感じ即決し、トラックを改装してアクセサリー販売を始めました。
それから約2年半ぐらいトラックで販売していたのですが、パーキングを借りていた施設が閉鎖されることになり、新しい場所を探し始めたんです。そしたら運良くたまたま今の店舗の場所が空いていて、見に行って気に入ったので少し怖かったですが即決し、2018年にカイルアにお店をオープンしました。
Makiさんのセンスが光るアクセサリー
Erika:
そんな運命的な出会いが重なり、現在のカイルアの場所にお店を構えたんですね。お店ではジュエリー以外にも販売しているアイテムがありますか?
Makiさん:
はい、ローカルアーティストの作品や、ローカルブランドのバッグ、アート作品、帽子なども取り扱っています。また、私が好きなヴィンテージの小物も販売しています。
Erika:
Makiさんのハンドメイドアクセサリーと併せて、セレクトアイテムを販売していらっしゃるんですね。センスが光っていて素敵です!おすすめのアイテムはありますか?
Makiさん:
今、一番人気なのはハワイの本物のお花を使ったアクセサリーです。咲いているお花を摘むのはかわいそうなので、朝早くに落ちたお花を集めて乾燥させ、樹脂でコーティングしてお花のネックレスやピアスを作っています。最近は髪飾りも作っています。
Erika:
ネックレスや髪飾りなど、いろいろな展開があるのですね。本物のお花、カラフルで可愛らしいですね!
Makiさん:
お花のジュエリーは水分に弱いのでリングやブレスレットには適していませんが、ネックレスやピアス、髪飾りのラインナップが豊富です。
Erika:
他にオリジナルのアイテムとしては、どのようなものがありますか?
Makiさん:
私のシグネチャーアイテムはワイヤーアートです。ワイヤーで作ったフラガールやモンステラの葉っぱ、ハイビスカス、パイナップル、ヤシの木などをモチーフにしたアクセサリーがあります。これらは昔から定番で人気があります。
Erika:
ワイヤーアートはユニークですね。形が独特で面白い!Makiさんのジュエリーにはたくさんのオリジナリティが詰まっているのですね。アクセサリーを制作する際、工夫していることはありますか?
Makiさん:
売れそうなものを作ろうと思って作ると、自分自身も楽しめないし、結果的にそんなに売れないんです。一方で、自分が本当にほしいと思うものや、自分がワクワクして身につけたいものを作ると、お客様にも好評です。だから、自由に自分が作りたいものを作り続けています。
海洋プラスチックを使ったアクセサリーに込めた想い
Erika:
海洋プラスチックを使ったアクセサリーも注目されていますが、作るきっかけや理由について教えていただけますか?
Makiさん:
以前から海のゴミ拾いをしたいと思っていたのですが、なかなか時間が取れず、コロナ前は忙しくて海に行く時間もありませんでした。そんな中コロナ禍で時間ができたので、友人に声をかけてビーチクリーンをすることになったんです。実際にビーチクリーンを行ってみると、大量のプラスチックゴミが集まりました。集めたプラスチックをゴミ収集所に持って行ったり、ゴミ箱に捨てたりするのですが、燃やすことで二酸化炭素が排出されたり、埋め立てると環境に悪影響を与えたりするため、何か再利用できる方法がないかと考えたんです。
それで、再利用して新しいものに生まれ変わらせることを考えましたが、リサイクルは普通のジュエリーを作るよりも5倍くらい時間がかかることがわかりました。天然石を使ったジュエリーの方がはるかに簡単で、マイクロプラスチック(大きさが5ミリメートル以下の小さなプラスチック片)を再利用して新しいものに作り変えるには、通常の何倍もの労力と時間が必要になります。それでも、プラスチックが海に落ちている現状に気づいてもらうことが大切だと考え、この取り組みを続けています。
海に行った時に、「あ、このプラスチックゴミでこのアクセサリーが作られているんだ」と気づきになると思うんです。実際には砂浜で下を向いて歩くことってあまりないじゃないですか。だけど、それに気づくと、落ちているものがすごく気になるようになるんです。そうすると、生活の中でもプラスチックをなるべく使わないように意識するようになります。
Erika:
意識が変わることで行動も変わりますよね。
Makiさん:
そうなんです。ビーチクリーンを始めてから、私自身の生活も変わりました。プラスチックをなるべく買わず、使わないようにしています。卵のパックなども再利用する方法を考えるようになりました。例えば、卵のパックを切ってビーズを入れるカップにしたり、UVレジンを混ぜるために使ったりしています。常に、捨てるのではなく、もう一度使えないか考えるようになりました。
現在出ているゴミをどれだけ拾って再利用しても、問題が解決するわけではないと思っています。年間何万トンものゴミが流れついてくるので、それで変わるとは思っていません。まずは、ゴミを出している人間の意識が変わることが一番早い解決方法だとわかったので、そのきっかけになればと思ってマイクロプラスチックを使ったアクセサリーを作っています。
Erika:
ジュエリーを通して環境問題に意識を向けてほしいという思いがあるのですね。
Makiさん:
はい、ちょっとした話題にでもなればと思っています。
Erika:
そんな自然環境を守りたいという強い思いを持つMakiさんですが、ハワイの自然からデザインのインスピレーションを受けることも多いのでしょうか?
Makiさん:
はい、多いですね。特に夏になると、シャワーツリーが風で揺れて、花びらが一気に舞い落ちる様子を見たときに「あの揺れる感じがきれいだな」と思い、そのイメージを再現できないかと考えたりします。ハワイの植物、モンステラやティーリーフなどは葉っぱの形もさまざまで、それからインスピレーションを受けたりもします。あと、色や形が異なる貝殻もそうですね。ハワイで目に入るお花や葉っぱ、貝殻の色や形を見て、これとこれを組み合わせたら可愛いなとか、常にインスピレーションをもらっています。
Erika:
自然からのインスピレーションは素晴らしいですね。カイルアをお散歩しながら気づくことも多いのでしょうか?
Makiさん:
はい。去年から犬を飼い始めよくお散歩をするようになり、歩くことで新しい発見が増えました。歩くことで、車や自転車では気づかなかった景色やお花が咲いている場所に気づくようになったんです。こんなところにこんなお店があったのかと気づくことも増えましたね。
お客様の人生に寄り添えるアクセサリー
Erika:
それでは、ブランドを展開してきて心に残るエピソードなどはありますか?
Makiさん:
そうですね。数えきれないくらいのエピソードがあるのですが、いつもお客様からいただくお声で多いのは、少し落ち込んでいるときにレイナイアのジュエリーをつけると気分が上がって、ハッピーになった。心配事があったけど大丈夫だと思えるようになった、ネガティブな気持ちのときに元気が出たというものです。
特に印象に残っているのは、去年常連のお客様のお母様が危篤状態になったとき、そのお客様がレイナイアのジュエリーをお母様にプレゼントとして渡してくださったことです。そのジュエリーはお母様への最後のプレゼントとなり、お母様がそれをつけて笑顔になってくれたというお話をいただきました。その際に、お礼の言葉をいただき、私の方が感謝の気持ちを伝えなければいけない立場なのに、本当に感動しました。ジュエリーがそんな風にお客様の大切な瞬間に寄り添うことができたことは、私にとってもとても光栄なことです。
アクセサリーには特別な意味があると感じています。結婚の際には指輪を交換することもありますし、おばあちゃんからお母さん、そして娘へ引き継がれるものでもありますよね。そして、女性はアクセサリーをつけるだけで元気になったり、エネルギーが湧いてくることもあります。そんな特別な、私たちの日常に影響を与えるアクセサリーを通して、皆様の人生に寄り添うことができるのが本当に嬉しいです。
Erika:
最後にハワイを訪れる日本の皆様にメッセージをお願いします。
Makiさん:
レイナイアは2018年10月にカイルアにオープンしてから、今年の10月で6周年を迎えます。皆様の温かい応援とサポートのおかげで、ここまで続けることができました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ハワイにいらした際には「おかえり」、ハワイから日本に戻る際には「行ってらっしゃい」とお声をかけたいと思っています。皆様のハワイの母のような存在として、心より皆様をお待ちしています!
最後に
Makiさん、本日は素敵なお話をありがとうございました!笑顔が印象的で、MakiさんのAlohaの想いがアクセサリーひとつひとつに込められているのが伝わってきました。
Makiさんのハンドメイドアクセサリーは、ハワイの自然の美しさや豊かな文化に深くインスパイアされ、そのデザインにはハワイの魅力がたっぷり詰まっています。彼女のジュエリーは、身に着ける人々に喜びと感動を与えるだけでなく、一つ一つのアイテムに込められた想いが、お客様の人生に寄り添い笑顔にさせてくれます。
これからもMakiさんのクリエイティブなエネルギーが、多くの人々に幸せを届けていくことでしょう。Makiさんのアクセサリーを通じて、ハワイの自然の美しさとAlohaの精神がさらに広がっていくことを楽しみにしています!
レイナイア(Leinai’a)
35 Kainehe St #101, Kailua, HI 96734 GoogleMAPで見る | |
火~土:10:00~17:00 日:10:00-15:00 定休日:月 | |
808-312-3585 | |
leinaia.com |