ハワイ州知事が来日|渡航障壁を軽減させる「プレクリアランス」促進
ハワイ旅行にあたり、ちょっとだけ負担になっているのが入国審査。
繁忙期はかなり混み合うため、ホノルル空港に到着してから空港を出るまでに1時間以上かかってしまったり。中には、入国審査の英語での質問に戸惑ってしまう、怪しまれてスムーズに入国できない、という不安を抱えている方もいるかもしれません。
そんな面倒な入国審査ですが、2024年3月にハワイ州知事が来日した際、昨年11月に話題になった「プレクリアランス」について、具体的に推し進める旨の声明を発表しました。
もしこのプレクリアランスが実現すれば、日本の空港で事前に入国審査が行われることになります。そのため、ハワイ到着後の手続きにかかる時間がカットされ早く空港を出られたり、強制帰国などのリスク軽減にもつながります。
今回は、そんなハワイ渡航の障壁を取り除くことが期待される「プレクリアランス」や「グローバル・エントリー」に関するハワイ州知事の声明についてお伝え。
これからハワイ旅行を計画している方はぜひチェックしてみてください!
ハワイへの日本人観光客減少の背景
ハワイのジョシュ・グリーン州知事が日本からハワイへの旅行推進に取り組む背景には、日本人観光客の大幅な減少があります。
ハワイ州観光局によると、2024年1月の日本からの訪問者数は5万2,911人で、前年同月比で63.8%増加していますが、コロナ禍前の2019年1月と比較すると56.1%減少しているとのこと。コロナ禍前の水準にはまだまだ戻っていないことがわかります。
訪問者数の回復が遅れている主な理由は、円安やインフレによる旅行コストの上昇だと考えられています。
参照:ハワイ観光局データ
ハワイ州知事がプレクリアランスについて声明を発表
グリーン州知事は日本訪問中の2024年3月18日、ハワイ州と日本の間で観光業や経済成長を促進するための具体的な取り組みを推進する声明を発表しました。
その中で、ハワイと日本との歴史的、文化的な繋がり、経済的な繋がりに触れ、「トラベル・コリドー(Travel Corridor)」のコンセプトに沿って、日本からハワイへの旅行をよりスムーズで安全なものにすることを目指すと語っています。
日本とハワイのより強い絆を育むためにイニシアティブを取ることが重要とし、具体的には「プレクリアランスの導入」と「グローバル・エントリーの拡大」の2点に関して今年中の導入を目指しているとのこと。
プレクリアランスの導入
まずプレクリアランスとは、米国税関・国境警備局(CBP)が運営するプログラムのこと。
プレクリアランスが導入されると、旅行者は米国到着時ではなく出発空港で税関・入国審査を受けることができます。これにより、到着時の手続きが迅速化され、旅行者の負担軽減につながります。
この制度は、すでにアメリカの6つのパートナー国15カ所で実施されており、旅行プロセスの効率化、待ち時間の短縮などに効果があることが証明されているそう。
プレクリアランスが導入されば、ホノルル空港時の手続きがスムーズになることに加え、最近取り沙汰されている日本人の強制帰国問題についてもリスクを下げることができそうです。
今年中の導入を目指しており、今年後半からの運用が見込まれているとのこと。ただし、対象の出発空港に関しては、まずは羽田のみという噂も。
ハワイ渡航者減少の要因は渡航時の手間というより、円安や物価高の方が大きいので根本的な解決にはなりませんが、プレクリアランスの導入で旅の質が向上することは間違いありません。
できるだけ早く実現してほしい、画期的な制度だと思います。
グローバル・エントリーの拡大
次にお伝えするグローバル・エントリーとは、CBPが運営するプログラムで、事前に承認された旅行者が米国に到着した際の税関・入国審査を迅速化するもの。(ホノルル空港に限らず他の米国の空港も対象)
現在、日本人のグローバル・エントリーのステータスを持つ人数は1,500人までに制限されていますが、この制限の撤廃を目指すというのが声明で発表されたのです。
バイデン政権と日本政府は、2024年後半までにこの上限を撤廃し、グローバル・エントリーを日本人に拡大する方向で協力していくとのこと。
こちらはグローバル・エントリーを申請する旅行者にしか恩恵がありませんが、頻繁に出入国を繰り返すような方にとっては非常に嬉しいニュースです。
今後の動きに注目したいですね。
最後に
今回は、ハワイ渡航の障壁を取り除くことが期待される「プレクリアランス」や「グローバル・エントリー」に関するハワイ州知事の声明についてお伝えしました。
どちらの対策も、日本人旅行客のハワイへの入国手続きの効率化や待ち時間の短縮を図るもので、ハワイ入国のハードルを下げることにつながります。
円安や物価高の問題はさておき、現地での厄介な入国審査がなくなれば、もっと気軽にハワイに行きたいと考える人が増えるのではないでしょうか。
これらの制度導入に関して、当サイトでも進展があればお伝えする予定なのでぜひチェックしてみてください!